
傷が治ったあとに残る青黒い跡「外傷性刺青」はレーザーで治療できます
「子どもが転んで鉛筆の芯が手に刺さってしまった」
「鉛筆を持ったまま転んで、皮膚に黒い点が残っている」
「傷は治ったのに、青黒い跡が消えない」
このようなご相談は、皮膚科でもよくあります。
鉛筆の芯などが皮膚の中に入り込んだまま傷が治ると、皮膚の中に色素が残り、青黒いシミのような跡になることがあります。
この状態を**「外傷性刺青(がいしょうせいしせい)」**と呼びます。
一般的なタトゥーとは異なり、転倒やケガなどによって偶発的に生じるものです。
鉛筆の芯が刺さったとき、まずどうすればいい?
鉛筆の芯は、一般的に黒鉛(グラファイト)などからできています。
刺さった芯が皮膚の中に残っている場合、無理に自分で掘り出そうとすると、皮膚をさらに傷つけたり、異物をより深く押し込んでしまう可能性があります。
ご自宅でできること
- 出血があれば清潔なガーゼなどで圧迫する
- 傷口を流水でよく洗う
- 目に見える異物を無理に掘り出さない
- 深く刺さっている場合や芯が折れて残っている場合は、皮膚科を受診する
特に、顔や手など目立つ場所に刺さった場合、小さなお子さんの場合、異物が残っている可能性がある場合には、早めの診察がおすすめです。
刺し傷は、傷口が小さく見えても内部が深いことがあります。異物が深部に残っている場合には、局所麻酔のうえ摘出が必要になることもあります。
傷が治ったのに黒い点が残っているのはなぜ?
鉛筆の芯などの異物が皮膚の深い部分に入り込み、そのまま傷が閉じると、皮膚の中に色素が残ることがあります。
すると、
鉛筆が刺さる
↓
黒鉛などの微細な粒子が皮膚内に入り込む
↓
傷が治る
↓
皮膚の中に青黒い色素が残る
↓
「外傷性刺青」になる
という経過をたどります。
外傷性刺青は、通常の傷あとや炎症後色素沈着とは異なり、皮膚の中に異物由来の色素が残っている状態です。
そのため、時間が経っても青黒い色が残ることがあります。
外傷性刺青はレーザーで治療できます
外傷性刺青には、色素に反応するレーザーを使用した治療が行われます。
当院では、**PicoSure(ピコシュア)**によるレーザー治療を行っています。
PicoSureは755nmのアレキサンドライトレーザーを搭載したピコ秒レーザーです。
ピコ秒という非常に短い時間でレーザーを照射することで、色素を細かく破砕し、徐々に薄くしていきます。
PicoSureは、太田母斑や異所性蒙古斑などの色素性疾患に加え、外傷性色素沈着に対する治療にも使用されています。
外傷性刺青のレーザー治療は保険適用です
外傷性刺青に対するレーザー治療は、健康保険の対象となる場合があります。
ただし、「鉛筆の芯が刺さった跡だから必ず保険適用」ということではなく、診察によって外傷性刺青と判断されることが必要です。
例えば、
- 鉛筆の芯が刺さったあとに青黒い跡が残っている
- 転倒して砂やアスファルトが入り込んだあと、黒っぽい跡が残っている
- ケガのあとから青灰色~黒色の色素が残っている
といった場合には、外傷性刺青の可能性があります。
一方、単なる炎症後色素沈着や傷あとなど、別の状態の場合には治療方法や保険適用が異なります。
まずは皮膚科で状態を確認することが大切です。
どのくらいで消える?何回くらい必要?
外傷性刺青の治療回数は、色素の量・深さ・大きさ・部位などによって異なります。
比較的小さく浅いものでは、少ない回数で目立たなくなることもありますが、深く入り込んだものでは複数回の治療が必要になる場合があります。
また、レーザー照射後すぐに色が消えるわけではありません。
レーザーによって細かくされた色素が時間をかけて処理されるため、治療後は経過をみながら、必要に応じて追加照射を検討します。
子どもの鉛筆によるケガは早めの受診がおすすめです
鉛筆を持ったまま転んだり、鉛筆の先が手や顔に刺さったりする事故は、特に小さなお子さんでは珍しくありません。
受傷直後であれば、皮膚の中に残っている異物を確認して除去できる場合があります。
一方、異物が残ったまま傷が治ってしまうと、後から青黒い色素として残り、外傷性刺青となることがあります。
「傷は小さいから大丈夫」と思っていても、
鉛筆の芯が折れて残っている
黒い点が皮膚の中に見える
傷が治ったあとも青黒い色が残っている
という場合には、一度皮膚科でご相談ください。
当院では、外傷性刺青について診察を行い、状態に応じて**保険診療によるレーザー治療(PicoSure)**をご案内しています。
「鉛筆の芯が刺さった跡が残っている」場合もご相談ください
小さなお子さんから大人まで、顔や手などの目立つ場所に残った青黒い跡についてもお気軽にご相談ください。


