ブイタマークリーム(タピナロフ)とは
ブイタマークリーム(一般名:タピナロフ)は、「AhR調整薬」と呼ばれる種類の薬剤です。ブイタマーの有効成分であるタピナロフは、細胞質に存在する特定の受容体(芳香族炭化水素受容体:AhR)を活性化して炎症反応を促進する生体内物質の産生を抑制するほか、皮膚バリア機能関連分子および抗酸化分子の遺伝子発現を誘導して皮膚症状を改善します。
ブイタマーの効能効果・用法用量
ブイタマーは、アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬に適応があります。
アトピー性皮膚炎に使用する場合、通常、成人および12歳以上の小児には、1日1回適量を患部に塗布します。
尋常性乾癬に使用する場合、通常、成人(18歳以上)には1日1回適量を患部に塗布します。
お子さまへの使用について
ブイタマーは小児を対象とした有効性および安全性を指標とした臨床試験を実施していません。
ただ、アトピー性皮膚炎については2歳以上12歳未満の小児を対象とした臨床試験が進行中です。そのため、将来的には適応年齢が拡大する可能性があります。
ブイタマーの特徴
ブイタマーは、従来からあるステロイド外用薬や免疫抑制外用薬、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬などとは異なる作用を持つ薬剤です。重篤な副作用は報告されておらず、その他の副作用も他剤に比べて多いわけではありません。また、長期使用における安全性が臨床試験で確認されていることなどから、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の治療における新たな選択肢として注目されています。
現在、2歳以上12歳未満の小児アトピー性皮膚炎の方を対象とした臨床試験が行われているため、今後は使用できる年齢がさらに拡大されると思われます。
ステロイド | ブイタマー | |
副作用 | 皮膚萎縮や毛細血管の拡張など | 重篤な副作用は報告されていない 軽症:使用部位の毛包炎やざ瘡(ニキビ)、接触皮膚炎など |
長期の使用 | 症状改善後の離脱が難しく、長期使用にて副作用の出現を誘発する可能性がある | 長期使用における安全性が臨床試験で確認されている |
患者負担・薬価について
ブイタマークリーム1%(15g/本)は2024年6月24日に承認されましたが、2024年7月現在薬価基準未収載となっています。
薬価収載されましたらお知らせいたします。
よくあるご質問
- ブイタマークリームを塗ってはいけない場所はありますか?
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ブイタマークリームは、粘膜部位や潰瘍部分、びらんなどには塗らないでください。万が一、眼に入った場合は直ちに水で洗い流してください。洗い流したあとも目に違和感などが残る場合はすみやかに眼科を受診して、必要に応じて治療を受けてください。
- ブイタマークリームは、1回にどれくらい塗ればいいですか?
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一般的に、クリーム剤は人差し指の先端から第1関節までの長さ(1FTU)をチューブから押し出すと約0.5gになります。0.5gあれば成人の手のひら2枚分に相当する範囲に塗布できますので、これを参考に塗布量を決めてください。