イブグリース(レブリキズマブ)とは
イブグリース皮下注250mg(有効成分:レブリキズマブ)は既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎の患者様を対象に、2024年5月31日に発売された生物学的製剤です。
作用機序について
アトピー性皮膚炎の発症に関わるIL-31(インターロイキン31)という炎症物質は、2型炎症を誘導することで、皮膚バリア機能障害、掻痒、皮膚肥厚、易感染性を引き起こすといわれています。
イブグリースは、IL-13に高親和性で結合するヒト化抗ヒトIL-13モノクローナル抗体です。病態の中心であるIL-13を選択的に阻害する事でアトピー性皮膚炎の症状を改善します。
イブグリースの対象患者さんについて
- (成人)アトピー性皮膚炎の患者
- (小児)12歳以上かつ体重40kg以上のアトピー性皮膚炎の患者
- 従来の治療(※)では十分な効果が得られないアトピー性皮膚炎患者
イブグリースの特徴・投与スケジュールについて
イブグリースと他の生物学的製剤との違いは、投与スケジュールです。
イブグリースは、導入期に初回・2週後に1回500mg、4週以降は基本的に1回250mgを2週間隔で投与します。
他の生物学的製剤との違いは、4週(3回目)以降は患者さまの状態に応じて1回250mgを4週間隔で投与する事ができます。
これは、イブグリースは消失半減期が関係しています。投与開始52週時点における、2週間隔投与群(Q2W)/4週間隔投与群(Q4W)の結果を併せてご紹介します。
EASI75(90)とは、皮膚症状が75(90)%以上改善する指標を指します。
投与開始52週時点で、EASI75の達成を維持した割合はQ2Wで78.4%、Q4Wで81.7%でした。EASI90のの達成を維持した割合はQ2Wで64.0%、Q4Wで66.4%でした。2週間隔で投与するよりも4週間隔の方が指標の達成率が良いという結果でした。
このことから、4週(3回目)以降は患者さまの状態に応じて投与スケジュールを2週から4週間隔に変更することが可能となります。
評価指数 | 52週 |
EASI75 | Q2W:78.4% Q4W :81.7% |
EASI90 | Q2W:64.0% Q4W:66.4% |
また、イブグリース®は新発売のため、2025年4月頃までは長期処方と自宅注射ができません。
副作用について
主な副作用(発現頻度1%以上)は、結膜炎、アレルギー性結膜炎、注射部 位反応(紅斑、疼痛、そう痒感、腫脹など)、好酸球増加症です。
患者負担・薬価について
イブグリースの薬価は、250mgシリンジで50,782円/本です。(2024.11月現在)
3割負担の患者様で、15,235円/本の薬剤費となります。デュピクセントとは異なり、適応疾患がアトピー性皮膚炎に限定されていることからやや安価であることが特徴です。
よくあるご質問
- どの程度で効果が現れるのでしょうか?
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早い方で投与2週目から偽薬(プラセボ)との有意差が確認されています。
- 自己注射は可能ですか?
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現時点では自己注射ができないため、医療機関での投与となります。冷蔵した薬剤を45分以上かけて常温に戻す必要があります。