コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)

コレクチム軟膏とは

コレクチム(一般名:デルゴシチニブ)は、「JAK阻害薬」に分類される薬剤です。
コレクチムは、ヤヌスキナーゼファミリー(JAK1,JAK2,JAK3およびTyk2)のすべてのキナーゼ活性を阻害することで、各種サイトカイン刺激により誘発されるT細胞、B細胞、マスト細胞および単球の活性化を抑制してアトピー性皮膚炎の炎症をおさえます。

コレクチムの特徴

コレクチムは、アトピー性皮膚炎に適応があります。
成人および小児のアトピー性皮膚炎の方を対象とした臨床試験では、コレクチムによってアトピー性皮膚炎の重症度が有意に改善されたことが示されています。また、日中および夜間のかゆみが有意に抑制されたという結果も得られています。
さらに、乳幼児を対象とした臨床試験でも、コレクチムによってアトピー性皮膚炎の重症度が大きく改善されることが示されています。


ステロイド
プロトピック軟膏
コレクチム
副作用
皮膚萎縮や毛細血管の拡張など
使用時の、ヒリヒリ感やそう痒感をはじめとした刺激感
使用時の刺激感は生じにくい
口唇ヘルペスや帯状疱疹など
長期の使用
症状改善後の離脱が難しく、長期使用にて副作用の出現を誘発する可能性がある
長期連続使用すると、ニキビや酒さ様皮膚炎(赤みと皮膚のぼつぼつ)を引き起こすことがある
長期使用における安全性が臨床試験で確認されている
対象年齢
使用する際の年齢制限はないが年齢に伴う使用量や期間の注意事項はあり
安全性が確立していないため、2歳未満の小児には使えない
生後6ヵ月から使用可能

コレクチムの塗り方

用法容量

通常、成人は0.5%製剤を1日2回患部に塗布します。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとされています。
小児の場合は、0.25%製剤を1日2回患部に塗布します。ただし、症状に応じて0.5%製剤に変更することも可能です。なお、1回あたりの塗布量は5gまでとされていますが、体格を考慮して塗布範囲が体表面積の30%を超えないようにします。

コレクチムの上手な塗り方

コレクチム軟膏を大人の人差し指の先端から第一関節まで絞り出すと、約0.5gになります(1FTU)。0.5gあれば大人の手のひら2枚分くらいの範囲に塗り広げられますので、これを目安に塗る量を決めてください。
ただし、コレクチム軟膏を患部にすり込んだり、べたつきを嫌って薄く塗り広げたりすると十分な効果が期待できません。絞り出した軟膏を指先で小分けにして患部に付け、手のひらで伸ばすようにたっぷり塗り広げると、患部に有効成分が届きやすくなり、軟膏が皮膚を守る役割を果たしてくれます。

顔への塗り方

コレクチム軟膏を顔に塗る場合は、目や口の粘膜部分に入らないように注意してください。また、ただれている部分や感染症を起こしている部分には塗らないでください。塗れるのは、これらの部位を除くアトピー性皮膚炎の症状がある部分のみです。

3~6ヵ月の小児

1FTU=大人の人差し指の先端から第一関節まで

1~5歳の小児

1.5FTU=大人の人差し指の先端から第一関節までとその半分

6~10歳の小児

2FTU=大人の人差し指の先端から第一関節までの量を2本分

成人

2.5FTU=人差し指の先端から第一関節までの量を2本分と、人差し指の先端から第一関節までの半分

患者負担・薬価について

コレクチム軟膏0.25%の薬価は139.3円/gであり1本5gですので1本当たり696.5円です。
3割負担の患者様で208.9円の薬剤費となります。
同様にコレクチム軟膏0.5%の薬価は144.9円/gであり1本5gですので1本当たり724.5円です。
3割負担の患者様で217.3円の薬剤費となります。

よくあるご質問

コレクチム軟膏はまぶたに塗っても大丈夫ですか?

コレクチム軟膏は、まぶたなど目の周りにも塗ることができます。
ただし、眼科用の薬ではないため、誤って目に入った場合はすぐに水で洗い流してください。洗い流したあとに刺激感や違和感が残る場合はすみやかに眼科を受診し、必要に応じて治療を受けてください。

コレクチムを塗り忘れた場合は、どうすればいいですか?

塗り忘れた場合は、気が付いたときに1回分を塗布すれば大丈夫です。ただし、次の塗る時間が近い場合は1回飛ばし、次の塗布タイミングで1回分を塗布してください。