ミチーガ(ネモリズマブ)

ミチーガ(ネモリズマブ)について

ミチーガはアトピー性皮膚炎のかゆみをおさえる薬です。

ミチーガ皮下注用60mgシリンジ(有効成分:ネモリズマブ)は、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因物質であるIL-31(インターロイキン31)をターゲットとした日本初、世界初のヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体である生物学的製剤です。

ミチーガのバイアルは30mgと60mgの2タイプあり、年齢や疾患により選択肢が異なります。

IL-31(インターロイキン31)とは

IL-31は、主にTh2細胞から産生されるサイトカインで、末梢神経に発現するIL-31RA(IL-31受容体)に作用することでかゆみを誘発します。ミチーガはこのIL-31RAに結合することにより、IL-31の結合を阻害し、それに続く細胞内への働きや伝達を阻害することでアトピー性皮膚炎のかゆみを抑制します。

ミチーガの対象患者さんについて

従来のアトピー性皮膚炎の治療薬である炎症をおさえる塗り薬及び抗アレルギー剤を使用して、治療を一定期間行っても、かゆみが改善しない、6歳以上のアトピー性皮膚炎及び13歳以上の結節性痒疹の患者さんが使用できます。

アトピー性皮膚炎の治療について

ミチーガ等、生物学的製剤で治療するときには、ステロイドの塗り薬やカルシニューリン阻害の塗り薬などの炎症やかゆみを抑える塗り薬を一緒に用いる必要があります。皮膚を掻くと皮膚が傷つき症状が悪化するため、かゆみ止めとして抗ヒスタミン薬の飲み薬を補助的に用いることもあります。

【炎症を抑える外用剤(塗り薬)】

【抗アレルギー剤(飲み薬)】

副作用について

主な副作用は、アトピー性皮膚炎、皮膚感染症(ヘルペス感染症、蜂巣炎、膿痂疹、二次感染)、上気道炎です。

投与スケジュールについて

ミチーガの用法用量は、適応疾患・年齢によって異なります。

アトピー性皮膚炎で、13歳以上の方

ネモリズマブとして1回60mgを4週間の間隔で皮下投与します。自己注射、室温保存が可能です。

アトピー性皮膚炎で、13歳未満の小児

ネモリズマブとして1回30㎎を4週間の間隔で皮下投与します。
自己注射は出来ませんので、クリニックにて投与します。

結節性痒疹で、13歳以上の方

ネモリズマブとして初回60㎎を皮下投与し、以降1回30㎎を4週間の間隔で皮下投与します。自己注射は出来ませんので、クリニックにて投与します。

副作用について

主な副作用は、アトピー性皮膚炎、皮膚感染症(ヘルペス感染症、蜂巣炎、膿痂疹、二次感染)、上気道炎です。

患者負担・薬価について

ミチーガの薬価は、60mgシリンジで116,426円/本です。
3割負担の患者様で60mgシリンジで34,928円/本の薬剤費となります。
ミチーガの薬価は、30mgシリンジで67,112円/本です。
3割負担の患者様で30mgシリンジで20,134円/本の薬剤費となります。

よくあるご質問

いつからアトピー性皮膚炎のかゆみに効果がありますか?

成人及び13歳以上の小児では投与翌日よりプラセボとの有意な改善が認められております。6歳以上13歳未満の小児では開始3日後よりプラセボとの有意な改善が認められております。
患者さまによって異なりますが、通常はミチーガによる治療開始から 16週頃までには効果が現れます。

いつから結節性痒疹のかゆみに効果がありますか?

臨床試験においては投与翌日よりプラセボとの有意な改善が認められております。患者さまによって異なりますが、通常はミチーガによる治療開始から 16週頃までには効果が現れます。

自己注射はできますか?

2023年6月1日より、ミチーガ60㎎シリンジは自己注射が可能になりました。